家づくりについて

かつての「家づくり」には夢がありました。もっと昔は必然性がありました。
今の「家づくり」にも夢も必然性もありますが「何かが違う」のです。
これは、演出による仮想の姿だけが強調されたコマーシャルペース、企業ペースの「家づくり」が当たり前のようになり、それに対して何の疑問も持たない事に何か問題があるように思われます。(売ると言う事とつくると言う事がメチャクチャになっている。)

今から30~40年程前から新建材の開発が活発になってきました。
そこにハウスメーカーという新しい企業が加わり、高度成長期に乗って今までの建設業とは違う「住宅産業」と言う一大産業が築き上げられました。

ここ数年不景気が深刻となってデフレによる物の価値が無くなったり、過激な販売競争等により発生した世の中の「大きな流れ」を巧みに利用した産業が、リーダーシップを取っているのが今の時代であり、住宅産業もその最先端に君臨していると言えます。

最近では、環境や人に優しい事とかローコスト等の方法論や経済性・合理性だけが強調されより過激な宣伝を行い、何が本当に良い物なのか判断の付きにくい混沌とした状況となっております。こんな時こそ、先人のやって来た事に目を向ける必要が有ると思います。

日本にも各国々にもその土地や地域に合った家がつくられ、人々の暮らしを育んで来ました。
ついこの間まで普通につくられて来た民家こそ「家づくり」の本質があるのではないでしょうか民家の持つ何か「ほっと」するような感じや、素材を生かした飽きの来ない空間構成を現在の家づくりに生かしたいものです。

それでは、どの様にしたら本当の「家づくり」が始められるか心構えを列記してみました。

1. 自分や生活をより深く見つめ、物事の本質を判断する力を養うこと
2. 本物の素材の持ち味を感じ取れるような感性を磨くこと
3. 家づくりは多くの人々の協力によって実現されます。「つくる」と言う行為に積極的に参加すること

このような事から「家づくり」に入って行くと、家をつくる事によって自分もつくられると言う実感が味わえると思います。このままの状態では、今まで祖先の人達が築いて来た家づくりの伝統や技術が根絶やしになってしまいます。

今の時代を生きる人の責任として真剣に考えていたいものです。

松井 良一

薪ストーブが似合う家

薪ストーブは、人間の自然回帰を想い起こさせる身近な存在です。
薪ストーブが似合う家は、人が自然の一部なのだと言う自覚を家族に植え付けながら、ゆっくりした心安らぐひとときを家族みんなで育む家だと思います。

薪ストーブが似合う家

日本人としての情緒を育む家

民家のもつ ”ほっとする” ような感じ

本物の素材を生かした飽きのこない空間づくり

私たちの家づくりは、狩野笑雲氏の統括のもと、二十年前に始まりました。

先人達が永い年月をかけて培ってきた日本の住文化をこの時代に根絶やしにさせない事が

現在を生きる人達の責任ではないでしょうか。

日本人としての情緒を育む家